犬が人の顔をなめる4つの理由

犬のくらし

人の顔をなめるという行動は、話すことができない犬にとって大切な伝達手段のひとつです。
飼い主の顔をなめるという行動にはどんな理由があるのでしょうか。顔をなめられるとどんなリスクがあるのでしょうか。顔をなめる理由とリスク、予防方法をまとめました。

犬が人の顔をなめる理由

犬が飼い主の顔や口をなめる行動は基本的に「愛情表現」や「信頼感」の証です。
しかし、ストレスや不安を感じている時もなめるという行動をします。

犬が人の顔をなめる理由には様々なものがありますが、警戒している相手に近づき顔をなめることはありません。顔をなめる行為は安心している人に対してだからこそできるものです。

1. 本能

犬は本能で人の顔をなめることがあります。
群れで暮らす犬の祖先であるオオカミは、挨拶や服従、食べ物をねだるときなどに顔をなめると言われています。犬も同じような意味で顔をなめることがあります。

多頭飼育を行っていると、お互いの顔や耳の中などをなめ合う行為がよく見られます。仲間への毛づくろいという一面もあるかもしれません。

2. 気になる匂いがする

人の顔から気になる匂いがする場合になめることがあります。
人の口の周りから食べ物の匂いがするので、特に口元ばかりなめるようなことがあります。

化粧水や乳液など、顔につける化粧品の匂いが気になってなめることがあります。また、飼い主の顔から好ましくない匂いがするので取り除こうとしてなめる場合もあります。

3. なめることで心が落ち着く

不安を解消させるために、人の顔をなめることがあります。
痛みやだるさなど身体の不調が原因で、それを落ち着かせたいという思いから飼い主の顔をなめることがあります。

顔をなめる行為に加えて「いつもと違う」と感じるようなことがあれば、ストレスや体調不良がないか様子をみてあげてください。

4. なめると飼い主が喜ぶ

なめると飼い主に喜んでもらえると思って、なめることがあります。
以前に飼い主の顔をなめた時、飼い主が笑ったり喜んだので「人の顔をなめると良いことがある!楽しい!」と思い、なめるようになることがあります。

犬が人の顔をなめるという行為だけでも様々な理由があります。顔以外にもなめる部位によっても理由が違ってきます。

  • 人の手をなめる時
    甘えたい時や遊んで欲しい時に手をなめます。人が手を使って犬をなでたり、一緒に遊んだりすることを犬はちゃんと認識しています。
    優しくなでてくれて温かい手をなめることで、心地よさを感じリラックスしようとしている場合もあります。
  • 足をなめる時
    犬が人の足をなめる場合も、手と同じく「遊んで欲しい」とアピールをしています。
    特定の人の足をいつもなめる場合は、好みの匂いがするのかもしれません

犬に顔をなめられるリスク

犬が人の顔をなめるという行為は、犬からの愛情表現のひとつです。しかし、場合によっては犬の唾液に含まれる細菌に感染してしまう恐れがあります。人にも動物にも感染する「人獣共通感染症」があるためです。犬から人へ、口を経て感染する病気を紹介します。

1. パスツレラ症

パスツレラ症の原因となるパスツレラ菌は、犬の口腔内に高い割合で存在する細菌です。
犬はほとんどが無症状ですが、人に感染した場合その部分に炎症を引き起こしたり、肺炎、気管支炎の症状が見られることもあります。

2. 回虫症(カイチュウショウ)

感染した動物のフンを犬が口にしたりすることで犬が感染します。基本的には犬のフンを片付けた後、しっかり手を洗うことで予防できます。
散歩中に他の犬の排泄物のにおいをかいだりすることがあり、鼻と口は近いので感染の恐れがあります。人に感染した場合、食欲不振や腎不全などの症状が見られることがあります。

3. キュー熱

コクシエラ菌という細菌による感染病で、感染した犬の尿やフンに含まれています。この細菌は犬を含む多くの動物への感染があります。
人が感染すると高熱が出て疲労感が長く続きます

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細菌による感染病は、正しい知識と基本的な行動で予防ができます。
感染原因は噛まれたり、口移しでエサを与えるなどの感染がほとんどです。体力が落ち免疫力が下がっているような時は要注意です。
「犬に口をなめられたら洗う」「口の中までなめられないように気を付ける」などを普段から心がけることで予防ができます。

顔なめをやめさせる方法

犬の顔なめ、特に口をなめる行為は感染症のリスクがあることが分かりました。ではどのようにすれば顔なめをやめさせることができるのでしょうか。

1. 無視をする

犬が顔をなめた時、喜んだり驚いたりなど、声をあげてリアクションをとると、喜んでくれていると思い、もっとなめようとします。顔なめを止めさせるには、何も言わず立ち上がるか、さっとその場を去るなど無視をするようにしましょう
そして、犬が落ち着いたら元の場所の戻り、褒めたり遊ぶなど十分に構ってあげましょう。

2. 別の行動に誘導する

顔をなめる行為をやめるようにしつける方法があります。
犬が顔をなめた時に「おすわり」などの落ち着ける指示(コマンド)を出し、やめたらなでたりおやつをあげるなどして褒めてあげましょう。やめることを覚えることで過剰になめることを抑止することができます。

まとめ

犬に顔をなめられるのは信頼の証でもあるので嬉しいことです。しかし、注意が必要なことがあります。顔をなめるなどの犬とのスキンシップの際は、衛生面に気を付けましょう。

犬が自分の顔をなめてきたら、犬のサインを受け取って「私もあなたが大好きだよ」と伝えたいです。

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