イエロードッグプロジェクトとは

犬のくらし

リードや首輪などに黄色いリボンをつけた犬を見たことはありますか?
黄色いリボンには、他の人や犬に対して何らかの理由から「近づかないでほしい」という意味が込められています。日本ではまだまだ認知度が低いですが、欧米など世界中に広がりを見せています。
この運動を「イエロードッグプロジェクト」と言います。黄色いリボンをつけた犬を見たらどうしたら良いのでしょうか。「イエロードッグプロジェクト」とはどんな目的があるのかまとめました。

イエロードッグプロジェクトとは

「イエロードッグプロジェクト」や「イエローリボン」は、スウェーデンの犬の心理学者やトレーナーなどのグループが始めた運動で、リードに黄色いリボンや黄色いものを付けている犬を見かけたら、「いろいろな事情がありそっとしておいてください。近づかないでください」という意味が込められています。日本ではまだまだ認知度が低いですが、欧米など世界中に広がりを見せている運動です。

イエローリボンをつける理由

犬にも様々な個性や事情があり、一定の距離を置いて欲しい犬もいます。「イエローリボン」を付けることでそれをひと目で分かるようにすることができます。

1. 健康上の理由

健康上の理由がありイエローリボンをつけている場合があります。どこか体が不自由だったり、手術後であったりと、健康上の理由でそっとしておいて欲しいことがあります。
他の人や犬に近づかれることによってケガをしたり体調が悪化したりすることを防ぐ目的です。

2. トレーニング中

盲導犬や介助犬など、犬は人間と共に仕事をしたり、人間のために働いたりすることがあります。イエローリボンはそういった仕事のトレーニング中であることを示す場合があります。
このような訓練中に不用意に近づいてしまうと、犬の集中力が保てなくなってしまうため、それを避ける目的でつけます。

3. 社会復帰の訓練中

子犬の時に社会化が十分でなかったり、虐待を受けた過去があったりなどの理由で、人間社会に馴染むための訓練中の犬がいます。他の人や犬との接触に慣れていないため、不用意に近づいたり触ると強いストレスを感じて相手にケガをさせてしまう可能性があります。

4. 人や犬が怖くて反応してしまう

犬が臆病な性格であったり、過去のトラウマによって知らない人に対して強い恐怖心からパニックになってしまう犬がいます。近づいてきた人や犬に飛びつく・吠える・噛むといった犬もいます。
トラブルを避けるために距離をとることが必要な場合があります。

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イエローリボンをつけた犬がいたらどうしたら良いか

黄色いリボンをつけた犬を見たらどうしたら良いのでしょうか。

もし黄色いリボンやモノなどの目印をつけている犬に出会ったら、近づいたり触ったりしようとせずに、距離を取ってそっとしてあげましょう。「見るだけ」もやめましょう。中には見つめられることもストレスを感じる犬がいます。

白い胴輪を付けている盲導犬は人が安全に街を歩けるように仕事をしています。
盲導犬に出会った時も盲導犬の気が散るようなことはせず遠くから見守りましょう

犬にとって人間社会や環境に慣れることや、人や犬とのコミュニケーション能力を養うことは生きていくために大切なことです。むやみにイエロードッグ扱いをして、その機会を奪うことは注意が必要です。

どんな犬でも急に近寄ったりせず、飼い主に「近づいても良いですか?」「触ってもいいですか?」と確認してからにしましょう。

まとめ

犬が幸せに生きていくためには、外に出て社会と触れ合う必要があります。

このプロジェクトが広く認識されるようになれば「イエローリボン」を必要とする犬が過ごしやすくなり、社会復帰が今よりも容易になるかもしれません。飼い主が安易にイエロードッグと決めつけることは危険ですが、このプロジェクトが広く認識されると良いなと思います。

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