しっぽの動きで分かる犬の気持ち

犬のこころ

犬は言葉で話すかわりに様々なしぐさで気持ちを伝えてくれます。
その1つに「しっぽの動き」があります。犬は「嬉しい時にしっぽを振る」と聞いたことがある方は多いと思います、犬はナゼしっぽを振っているのでしょうか。しっぽを振る理由や犬の気持ちを詳しくまとめました。

犬がしっぽを振る理由

犬がしっぽを振る理由は「興奮している」からです。「嬉しい」だけではなく「楽しい」や「威嚇」など、感情が高ぶる時もしっぽを振ります。しっぽを振る時の気持ちを紹介します。

愛情

愛情でしっぽを振ります。飼い主さんが帰宅した時など、しっぽを少し落としながら小刻みにパタパタと振ります。犬同士では子犬が母犬に甘える時にも同じようなしっぽの振り方をします。

喜び

喜びでしっぽを振ります。「おやつ」「ごはん」「散歩」など、喜びが抑えきれない時にしっぽをブンブン振ります。飼い主さんと目が合った時にしっぽを振るのは「遊んでくれるの?」という期待の意味が込められています。

いかく

しっぽを高く上げながら小刻みに振っている時は、目線の先にいる対象に対して威嚇をしています。

散歩中に正面から知らない犬が歩いてきた時などによく見られるしっぽの振り方です。この状態の時は相手に向かって威嚇をしているので放っておくと近付いた時に攻撃に出てしまう可能性があります。
声をかけたり、お腹をそっとタッチして飼い主の方に意識を向かせましょう。

しっぽの位置で分かる犬の気持ち

犬の感情はしっぽの位置によってもよみ取ることができます。しっぽの動き方と合わせて、犬の気持ちを考えてみましょう。

しっぽが低い位置にある場合

警戒、不安、恐怖、などネガティブな気持ち

しっぽが下がれば下がるほどネガティブな気持ちの度合いが強いです。足の間にしっぽを挟んでいる時は恐ろしくてたまらない気持ちです。

しかし、不安や恐怖を感じた時の犬の反応はそれぞれ違います。「許して」「ひどいことをしないで」と小さく丸く怯える犬もいれば、攻撃的になる犬もいます。
どちらにしてもしっぽが下がっている時はストレスを感じている状態なので、恐怖や不安の対象を遠ざけたり、体を触って安心させたりしてあげましょう。

しっぽが高い位置にある場合

自信満々、嬉しい、楽しい、などポジティブな気持ち

自信に満ち溢れ、周りの犬たちに優位性を示したい時、犬はしっぽを高く上げます。

犬の祖先であるオオカミは群れで狩りをしていました。後続のオオカミたちは先頭のリーダーの高く上がったしっぽを目印に隊を組んでいたと言われています。
「自分についてこい」「自分が一番えらい」というような気分の時、犬はしっぽを高く上げているようです。リーダーとして認められている時の犬の気持ちは嬉しいことなので、「嬉しい」「楽しい」気分の時はしっぽは高く上がるようです。

しっぽが水平の位置にある場合

ポジティブ・ネガティブに関わらず何かに興味や関心を持った時

もともとしっぽが垂れ下がっている犬種や巻き尾の犬種は分かりにくいかもしれませんが、しっぽが体と水平になっている時は、何かに関心を持っている時です。
「知らないニオイがした時」「変わった音が聞こえた時」「遠くから誰かが近づいてきた気配がした時」「強い攻撃心は無いけれど見知らぬ相手に警戒する時」など、何かに興味・関心を持った時、じっと立ち止まってしっぽを水平にしています

しっぽを振るスピード・向きで分かる犬の気持ち

犬の気持ちはしっぽを振るスピードや方向でもよみ取ることができます。

しっぽのスピードで分かる感情

犬は、興奮すればするほど激しくしっぽを振ります。

  • しっぽを高く上げて小刻みに振っている → 嬉しい時
  • しっぽを高く上げてゆらゆらとゆっくり振っている → 様子をうかがっている
  • しっぽを低い位置でゆっくり振る→ 嬉しい気もするけど少し不安
  • しっぽをさらに低くゆっくり振る警戒している、反撃するかもしれない

しっぽの向きで分かる感情

人間も犬も脳は左右に分かれていて、左脳はポジティブな感情、右脳はネガティブな感情と関わっているとされています。また脳の左右と体の動きの左右は逆で、左脳は体の右側に作用し、右脳は左側に作用します。

  • 右側に振る → 喜びや親しみを感じている時
  • 左側に振る → 不安や恐怖を感じている時

しっぽを振っている時の注意点

犬がしっぽを振っている時に注意が必要な点です。

友好的な気持ちとは限らない

しっぽを振っていても犬が友好的な気持ちとは限らないということに注意が必要です。

必ずしも「嬉しい・楽しい」といった気持ちを表しているわけではありません。ぶんぶん激しくしっぽを振りながら吠えたり、うなる時があります。
口元や目耳の動き、前後に何があったか、普段どのような性格かなどを考え、犬がどういう状態なのかを判断しなければいけません。

興奮させないように注意が必要

「嬉しい・楽しい」時に勢いよくしっぽを振っていても、飼い主がオーバーリアクションで反応するのは控えましょう。

飼い主が犬と同じようにオーバーリアクションで反応すると犬は余計に興奮してしまいます。犬の興奮を高めることにより、吠えやすくなるなどの行動が出やすくなってしまうので冷静に対応するのが良いでしょう。

まとめ

犬は人間の言葉を話せなくても、しっぽの動きだけでもたくさんのことを伝えてくれることが分かりました。まずは普段の愛犬のしっぽの状態を知り、細かいしっぽの変化に気づいてみましょう。
しっぽ以外のサインも見逃さず、今よりもっと愛犬とのコミュニケーションを楽しみたいです。

タイトルとURLをコピーしました