ペット防災、家の中の安全対策と災害への備え

犬のくらし

いつ起こるか分からない災害、愛犬を守るためにはまず自分が助からなければいけません。
人命が最優先です。「犬のための防災」は「人のための防災」ができている事が大前提となります。
自分、家族、人の命を守ったうえで、愛犬をどうしたら守れるか、家の中の安全対策と災害への備えをまとめました。

家の中の安全対策

犬が一番長い時間過ごしているのがお家です。家の中の安全対策について見直してみましょう。
災害を考えるうえで、帰宅困難となり長時間家に帰れない事も想定しておくことが重要です。

1. 家具を固定

家具を固定し倒れないようにします。特に食器棚が倒れるとガラスが飛び散りとても危険です。壁にネジ留めするか突っ張り棒で固定しましょう。人間の安全対策としても有効です

2. 大きく重い家具は使わない

家具が転倒した場合でも被害が小さくなるように、背が高く重い家具はなるべく使わないようにしましょう。私の家では、普段愛犬の居るリビングにはテレビ以外に倒れてくるものが無いようにしています。テレビの前にはマットを敷き衝撃が少しでも小さくなるようにしています。

3. 犬が逃げ込める安全な場所を用意

犬が避難できる安全な場所を用意しておきましょう。私の家ではケージの隣にクレートを置いています。普段からクレートに慣れさせています。留守番中に地震が来て驚いてケージを飛び越えてしまってもクレートに逃げ込めるようにしています。

4. 不要な物は減らす

犬が過ごす場所には不要なものは置かないようにしましょう。花瓶や飲みかけのコップなど、倒れて割れたり水が飛び散ったりするようなものは、外出前や就寝の時にはテーブルに置いたままにしないように注意しましょう。

5. ドアストッパーを設置

ドアストッパーなど、ドアが半開きにできるような対策を入れておきましょう。
地震で家がゆがんでドアがあけられなくなることもあります。また、浸水時の対策として上の階など高い場所に逃げられるようにしておきましょう。

6. 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る

窓ガラスがある場合、割れて破片が飛び散らないように、飛散防止のフォルムを貼っておきましょう。
食器棚のドアなどガラス部分があれば飛散防止の対策をとっておきましょう。

cb_act_nafuda

災害への備え

フードの備え

ドッグフードや犬用のおやつについて、災害に備えてストックしておきましょう。
また、犬の普段の食事について、健康面に問題なければいろんなフードに慣らしておくことがよいでしょう。救援物資のドックフードが食べられないと困ります。被災中に人間の食料を食べて飢えをしのいだ事例もあります。

  • ドッグフード
    ドッグフードはなるべく多く備蓄しておきましょう。災害の際に配給されるのは人間用の物資となります。そのため、ドッグフードを備蓄しておく必要があります。備蓄する際に保管場所は直射日光が当たらない場所にし劣化しないようにしましょう。
    私の家ではドライフード1袋をローリングストック法(日常的に非常食を食べて、食べたら買い足す)で備蓄しています。
  • 犬用のおやつ
    犬用のおやつを備蓄しておきましょう。避難場所では犬がストレスでいつものドッグフードを口にしない事もあります。大好物のおやつは食欲を取り戻すきっかけとなるのでストックしておきましょう。

犬に危険な食べ物は絶対に与えないように注意しましょう。
・ネギ類、チョコレート、鳥の骨、生の魚介類、ブドウ、干しブドウなど

持病薬の備え

災害時はかかりつけの動物病院も被災しています。すぐに薬が入手できない事を想定して多めに処方してもらっておくと安心です。また、療法食も十分にストックしておきましょう。

Point
  • 他の動物病院でも処方してもらえるように薬品名や用量を記録
  • 同じ効果をもつ他メーカーの療法食も普段から慣らしておく

迷子の備え

災害時には犬が脱走して離ればなれになることも考えられます。犬の身元表示に欠かせないモノを準備しておきましょう。

  • マイクロチップ
    首輪が外れても皮下に埋め込んだマイクロチップがあれば身元が割り出せます。センターに飼い主情報を登録する事を忘れないようにしましょう。
  • 愛犬の写真
    愛犬が迷子になってしまった時に写真があれば捜索のお願いなどの対応ができます。また飼い主と一緒に写っている写真があれば、自分が飼い主の証明ができます。
  • 首輪に迷子札
    首輪に愛犬の名前や連絡先を記載しておけば、離れ離れになった後、どこかで保護されれば連絡をとることができます。
  • 狂犬病予防注射済票
    狂犬病予防注射済票がない場合、避難所やペットホテル、動物病院での預かりを拒否されることがあります。

避難の備え

犬と一緒に避難する際にあった方がよいモノです。事前に準備できる場合はそろえておきましょう。

  • 犬用のリュック
    避難する際に犬を運ぶためのリュック、あるいは肩掛けが付いているキャリーバッグを用意しましょう。リュック等がない場合は風呂敷で包むことも想定しておきましょう。
    避難する際になるべく自分の手は安全のために空けておいた方がよいでしょう。
  • 中型犬・大型犬の靴
    抱っこが難しい、中型犬・大型犬はリードなどで連れていくことになりますが、可能であれば靴を履かせましょう。靴を履くことで道路に散乱したガラスなどから足を守る事ができます。この場合、普段から靴に慣らしておくこと大切です。

複数の犬を飼っている場合、1頭は犬用リュック、他はリードで連れて行きましょう。小型犬の場合、犬用リュックに複数頭入れて運んでも大丈夫ですが、重量を超えると壊れる危険があるためチェックが必要です。また、中型犬・大型犬用のリュックやカートもあります。

まとめ

災害はいつ起こるかは分かりません。
命を守るための安全対策もモノの備えも、まずはあらゆるケースを想像してみる事が大切です。災害が起きたその瞬間に自分と愛犬がどこにいるのか?災害の規模は?季節は?、想像してみてください。
想像するには起震車で震度7を実際に体感してみる事や、季節ごとに水・電気・ガスなどのライフラインを全て止めて1日生活してみるのはおススメです。何が危険か、何が必要か、何が困るか、自然と見えてきます。
想定外の災害が起こる近年ですが、必要な安全対策や備えに気付いたらすぐに実行しましょう。
それは、明日大災害が起きる可能性もあるからです。

タイトルとURLをコピーしました