愛犬がふとした瞬間に飼い主の顔を舐めてくるのはなぜでしょうか。その意味が分かると愛犬とのコミュニケーションがもっと楽しくなります。しかし、衛生面を注意する必要があります。犬が飼い主の顔を舐める理由と注意点についてまとめました。
犬が飼い主の顔を舐める理由
愛犬が飼い主の顔を舐める行動にどのような意味があるのかまとめました。
1. 愛情表現
愛犬が飼い主の顔を舐めるは、「大好き」「ありがとう」と愛情を伝えようとしていることが多いです。また「信頼」や自分よりも上の立場の相手に対しての「敬意」という意味も込められています。
2. 不安を訴えている
飼い主の顔を舐めて「助けて」「怖いよ」と不安を訴えていることがあります。これは「信頼」しているからでもあります。
不安そうな表情で顔を舐めてくる時やあまりにもしつこい舐め方の時は何か不安をかかえているのかもしれません。愛犬が何にストレスを感じているのか原因を探してみましょう。
3. ご飯を要求している
子犬は母犬に空腹を訴える時、母犬の口元を舐めます。そして母犬は自らの口でごはんを与えます。
こうした習慣が今も根付いていて、ごはんを要求する時飼い主の口周りを舐めることがあります。
また、飼い主が何か食べている時にも「ちょうだい」とおねだりの意味を込めて舐めてくることがあります。
しかし、このような要求には応えないようにしましょう。舐めたらご飯がもらえると学習してしまうことがあります。
4. かまって欲しい
飼い主がテレビやスマホばかり見ていると、飼い主の前にやってきて顔を舐めることはありませんか。「かまって!一緒に遊んて!」とアピールしています。手が空いていたらぜひそのアピールに応えてあげましょう。
5. 気になる匂いを確認している
飼い主が食べ物を口にした後に、愛犬が口周りを舐めてくる時は、気になる匂いを確認しているサインです。
飼い主の口から気になる匂いがするため、本能的にその匂いの正体を確かめようとしています。
飼い主の顔を舐める際の注意点
愛犬が愛情表現として顔を舐めてきてくれることは飼い主にとって嬉しいことですよね。
しかし、犬に舐められることはリスクもあります。
衛生面に注意
犬は様々なものを舐める習性があります。
排尿後にお尻まわりを舐めてきれいにしたり、電柱についたほかの犬の尿を舐めて味を確かめることもあります。さらに、犬によっては自分のウンチを食べてしまうこともあります。尿や便などがついている舌で顔を舐められることは衛生的ではありません。
7割ほどの犬はパスツレラという常在菌を口腔内に持っています。
犬には悪い影響のない菌ですが、小さな子どもや高齢者、基礎疾患を持つ人、免疫力が低下している人などは、パスツレラ感染症という人獣共通感染症を発症する恐れがあります。
人間が人獣共通感染症に感染したら
嚙まれたところが早いと数時間程度で腫れて赤くなります。
これとともに、リンパ節が腫れたり、発熱や痛みが現れたりする場合もあります。パスツレラ症の場合は、炎症状態に噛まれたところがなりますが、皮下組織の中にこの炎症は拡がります。
関節あたりを噛まれた場合は、関節炎が起きる場合もあります。嚙まれた傷が骨に達する場合は、骨髄炎が起きます。免疫力が下がっている際に発症すれば、死亡する恐れがある敗血症や骨髄炎などが起きる場合もあります。
もし愛犬に顔を舐めたら
もし、愛犬に顔を舐められたら、すぐに水洗いをしたりウェットティッシュで拭くなどしたほうが良いでしょう。特に口は感染症の原因になるので注意してください。
顔を舐めるのをやめさせる方法
飼い主さんによっては、愛犬とのスキンシップである顔を舐める行為を大切にされている方もおられます。しかし、もしやめさせたいと思う飼い主さんがおられたら、試してみてください。
顔ではなく手であれば感染症になる危険性は低いです。
もし顔を舐めてこようとしたら、飼い主自身の手で口元を覆って、愛犬が手を舐めるように誘導してください。舐められた手はなるべく早く洗って愛犬の唾液を落としてください。
せっかく愛犬が愛情表現をしてくれているのですから、愛犬が舐められなかったというストレスにならないようにしたいですね。
まとめ
愛犬が飼い主の顔を舐める行為は、同じ動作であっても理由は様々です。
どのような意味かは状況を見て判断し、対応をしてあげましょう。信頼があってこその行為ですが、犬の口の中は衛生的ではないので、注意も必要です。
飼い主さんも愛犬も健康で幸せな毎日を過ごせるように、役立ててみてください。