「雪やこんこん♪あられらこんこん♪」の「雪」の歌詞から、犬は寒さに強いというイメージをお持ちの方が多いかもしれません。しかし、犬も人間と同じように寒さに影響を受け、冬に発症しやすい病気があります。病気のサインと予防法を知り、冬に多い病気から守りましょう。
犬が冬にかかりやすい病気
犬が冬にかかりやすい病気と、その病気のサイン・予防法についてまとめました。
1. 泌尿器系の疾患
寒くなると犬も水を飲む量が減ります。その影響で、尿路感染症・ぼうこう炎・結石など泌尿器系の病気にかかりやすくなります。以前に泌尿器系の疾患にかかったことがあったり、高齢である場合はよりかかりやすくなるので注意が必要です。
おしっこは体内の水分量を一定に保持させたり、体内の老廃物を排泄するなど、とても重要な役割を担っています。泌尿器系の疾患によりおしっこが作られなくなったり、排泄されなくなると命の危険があります。普段から尿の量と色はよく観察し、おかしいと感じたらすぐに動物病院に連れて行きましょう。
2. 関節疾患
関節の周りは筋肉や血管が元々少ないですが、寒さによって関節周辺の血流がさらに滞り筋肉がこわばってしまいます。そのため寒い時に急に運動をさせると関節を痛めてしまいます。しかし、運動不足は肥満につながりさらに関節を痛める要因になってしまいます。
3. 心臓・循環器系の疾患
心臓疾患は発見が難しい病気です。他の病気の症状と似ていることもあり、発見が遅れることもあります。脈拍数のチェックなどで病気を早期発見しましょう。
- 犬の後ろ側に立ち、太ももの外側から前方に向けて両手を当てて、指先で太ももの内側中央部よりやや上のだいたい動脈を確認します。「トクトク」という振動が伝わるはずです。
肥満の犬はだいたい動脈を触ることができません。安い聴診器を1本持っておくのも良いです。 - 次に、この数を1分間数えます。1分が無理であれば15秒数えて4倍するといいでしょう。
- 正常な心拍数は犬で60~120回/分です。1分間に120以上の心拍数だと心臓病の疑いがあります。
興奮している場合は正確に計れません。リラックスした状態で心拍を計ることは、飼い主にしかできない簡単な心臓病の発見法です。
4. 伝染病の疾患
最近は予防接種が普及しました。しかし、冬は様々なウイルスが活発に活動する時期です。伝染病の予防接種は病気を完全に防ぐものではなく、感染しても症状が軽く済むようになっています。伝染病が完全に予防できるとは限りません。子犬など年の若い犬や、予防接種をしていない犬は特に気を付けましょう。
5. 呼吸器系の疾患
気温が低く空気が乾燥する冬は、鼻や喉の粘膜の働きが弱まることから、細菌やウイルスが体に侵入しやすく、呼吸器系の病気にかかりやすくなります。
異物を飲み込むなど誤飲の時も激しく咳をします。喉の奥からモノを吐き出すような湿った咳の場合は心臓病の可能性があります。
まとめ
人間と同様に、犬も冬は体調を崩しやすくなります。
寒さ対策など冬にかかりやすい病気の予防をしましょう。そして犬は言葉で体の不調を訴えることができないので、普段から愛犬の様子を観察し異変がないか注意して見てあげましょう。