悲しい気持ちになったり落ち込んだりしている時に、愛犬が心配そうな顔をしながら寄り添い、なぐさめてくれた、といった経験を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。犬はなぜ飼い主をなぐさめるような行動をとるのでしょうか。犬は人の悲しみや感情を理解しているのでしょうか。犬が人をなぐさめる理由についてまとめました。
犬が人をなぐさめる理由
飼い主が悲しんでいる時に愛犬が顔をなめたり、静かに寄り添ってくれる理由をまとめました。
1. 心配している
犬はとても賢く仲間想いです。仲間である飼い主が悲しんでいると、その気持ちを感じとり心配していると思われます。
人間の言葉が話せない犬は、それ以外の方法を使って飼い主をなぐさめ励まそうとしていると考えられます。
2. 異変を感じている
犬は日頃から飼い主をよく観察しているので、飼い主の様子がいつもと違ったり、飼い主の元気がないと「どうしたのだろう?」と異変を察知することがあります。
その結果、飼い主のそばに来て「どうしたの?」といわんばかりに顔をのぞき込んだり、涙をなめたり、不思議そうな表情をすることがあります。
また、犬は相手の姿や表情だけでなく、声の強弱や明るさなどを聞いて、相手がどのような気持ちになっているのかを知ることができると言われています。
飼い主さんが泣いているといういつもと違う雰囲気を、穏やかな雰囲気に戻そうとしてそのような行動する犬もいます。
3. 同じ気持ちになっている
仲間意識が強い犬は、自分も仲間と同じ気持ちになることがあるそうです。
例えば、飼い主が喜んでいると愛犬も楽しそうにはしゃぐことはありませんか。
飼い主が悲しい気持ちになっている時は、同調して愛犬もつらい気持ちになっている可能性があります。
4. 笑顔になってもらおうと思っている
犬は大好きな飼い主の悲しんでいる顔よりも笑顔を見たいと思っていることでしょう。
そのため、おもちゃを持ってきて「一緒に遊ぼう!」と元気づけようとしてくれたり、寄り添ってなぐさめてくれたり、顔をなめたりするようです。
以前、飼い主をなめたら笑ってくれたという経験から学習して行動することもあるようです。
5. 単なる好奇心
普段見慣れない「涙」に対して、好奇心からなめる行動をする犬もいるようです。
涙のしょっぱい味が気になりペロペロとなめ続けることもあります。
犬に「なぐさめる」という感覚があるのか
犬に「なぐさめる」という感覚があるのかは現時点では分かりません。
しかし、オーストラリアで実施した研究では、犬は人間の表情を見るだけで、その人の感情も読み取っているという結果が出ました。
そして、犬の祖先といわれる狼はもともと感受性の豊かな動物であり、感情に関係する脳の部分が犬も発達しています。
その性質と人間と共に生きてきた長い歴史の中で、犬が人間に共感する感覚が育ったと考えることはできるのではないでしょうか。
まとめ
愛犬が飼い主の涙をなめたり、悲しんでいる飼い主に寄り添う理由は様々ですが、愛犬に励ましてもらった、元気づけられた、という経験がある飼い主さんは多いのではないでしょうか。
いつも傍に居てくれる愛犬に改めて感謝し、楽しいこと、嬉しいことをたくさん共有していきたいですね。