犬が知らないヒトやモノを怪しんで吠えてしまうことを「警戒吠え」と言います。犬には「身の危険を感じたら吠える」という習性がそなわっているので、警戒吠えは自然なことです。しかし、家の中で激しく吠えるなど、その声に悩む飼い主さんは多いのではないでしょうか。
犬が何に対して吠えているのか、家の中で吠える理由と対処法についてまとめました。
警戒吠えの理由と対処法
犬が身の危険を感じた時やテリトリーを侵害されそうになった時など、相手に対して注意を促すために吠えているのが「警戒吠え」です。家の中での警戒吠えについて理由と対処法をまとめました。
1. 物音や窓の外に向かって吠える
家の外から聞こえる音や人影に向かって吠える場合の理由と対処方法です。
- 退屈をしていて、家の外を気にしている
- 不安を感じて、家族を守ろうとしている
- 以前に「吠えれば遠ざけることができる」と学習した
対処法
- 犬が落ち着けるようにする
吠えている間は無視をし、吠えるのをやめた後「オスワリ」などの指示を出しましょう。従ったら褒めてあげましょう。「吠えていない時に注目してもらえる」と教えましょう。
無視をしてもなかなか吠えやまない場合は「抱っこする」「ケージで安心させる」などをして犬の気持ちを落ち着かせましょう。
- 犬の不安感を取り除く
犬が過ごす場所を外の物音が聞こえにくい場所に変えてみましょう。窓の外を通る人影などが気にならないようにカーテンをしっかり閉めることも有効です。またケージに入っている場合は、ケージ自体を大きな布などで覆いましょう。
犬が不安を感じた時に逃げ込んだり、リラックスして過ごせるように、ケージやサークルを安心できる場所にしておきましょう。ケージが苦手な犬には、日頃からケージの中でごはんやおやつなどをあげ少しずつケージに慣らしましょう。
- 犬の環境を変える
野外で過ごす犬の場合は吠えるきっかけとなる刺激が多いです。ハウスの位置や向きを工夫したり、よく吠える時間帯だけでも刺激の少ない場所で過ごすようにすることが有効です。縄張り意識はどの犬にもありますが、家全体が縄張りになっている場合「家の外」全てが警戒する対象になってしまう場合があります。
特に警戒心の強い犬は、家の中をどこでも自由に行き来できる状態よりも、ある程度行動範囲を制限し、犬の縄張りを狭めておく方が警戒するストレスがかかりにくいと言われています。
2. 来客に吠える
友達や知り合いなど、来客に向かって吠える場合の理由と対処方法です。
- 自己防衛のために吠えている
- どんな人が来たのか気にしている
- 以前に「吠えれば追い払うことができる」という成功体験を学習した
対処法
- 犬が怖がらないようにする
飼い主が犬と一緒に玄関に行き、来客に先に家の中へ入ってもらいましょう。その後に入ることで知らない人が入ってきたという感覚が薄れ、吠えるのをやめることがあります。
- 我慢したら良いことがあると教える
吠え始める前のタイミングで「オスワリ」等の他の行動を指示しましょう。大好きなオヤツやオモチャで興味をひきつけて、吠えずに我慢できたら褒めてあげましょう。
- 来客が来る前に教える
来客の時間が分かっている場合、犬の居場所を玄関や窓から遠い場所にしたり、その時間帯はケージや他の部屋で過ごしてもらうことも有効です。
3. インターホンに吠える
家のインターホンが鳴った時に吠える理由と対処方法です。
- 来客を家族に知らせようとしている
- 縄張りや家族を守ろうとする防衛本能
- 音に驚いて興奮している
対処法
- インターホンの音に慣れさせる
音に慣れるよう音のトレーニングをしましょう。
例えば犬が落ち着いている時に他の家族や友人などに協力してもらいインターホンの音を鳴らします。「今にも吠えそう!」という状態の時に落ち着いた声で「オスワリ」など他の行動を指示し、それができたらご褒美をあげます。最初は音量を小さくして練習すると良いです。
「吠えようとした時に、吠えずに他の行動をしたらご褒美があった」と繰り返し経験させることで、犬の行動に変化が見られるようになります。
- 興奮しないように落ち着いて行動する
インターホンが鳴った時、飼い主が慌てると、その様子が犬に伝わり、不安な気持ちにさせてしまうことがあります。ゆっくりした動作で落ち着いて対応しましょう。
まとめ
愛犬が何に対して吠えているのか、どんな場面で吠えているのかをよく観察し、吠えている原因を探してみましょう。それと同時に「オスワリ」「フセ」などの練習をして、飼い主の指示にいつでも耳を傾けられる関係性を築くことも大切です。
警戒吠えの対処方法は犬によって効果は様々かもしれませんが、根気強く続けてみましょう。